本園では、子どもたちがあそびを通して心身ともに豊かな園生活を楽しみ、「自分で考えて行動できる力」と「社会で生きていく知恵」を身につけることを大切にしています。素直に自分を表現し、積極的に人と関わっていかれるよう、保育者は感性を研ぎ澄まして1人ひとりの育ちを見守ります。97年の歴史ある「宝仙の保育」は、時代が変わっても「品格と知性を兼ね備えた人を造る」という建学の精神を軸に、子どもだけでなく、保護者と保育者とともに育ちあう環境をめざしています。時代に沿った新しい教育も取り入れながら、100周年に向けて歩みを進めてまいります。
宝仙学園では創立以来、「感応豊かな人を形成する」教育として「心の教育」を実践しています。その根底にあるのが仏教精神を基調とした人間教育です。
心の安定は正しい知恵を生み、豊かな情操は学びの意欲を高めます。それらは宗教的バックボーンに裏打ちされた学園生活を送ることにより、自然のうちに感得するものです。そして自然や事物、すなわちおおいなるいのちに感応する心が豊かな人間は、敬虔の心、慈悲の心、感謝の心、奉仕の心を育み、生きる意欲を高め、自らの力で人生を切り拓いていきます。このような考えのもとに、日本の伝統や文化、風土、日本人としての心を大切にし、知性と品格を兼ね備えた人間を涵養する教育として行っているのが「宝仙の情操教育」です。
幼稚園では、花祭り、みたま祭り、大師祭などの折々の仏教行事、また日々の生活の中で仏様を身近かに感じて手を合わせることなどを通して、園児は、豊かな情操を育み、明るくのびやかな園生活を送っています。
宝仙学園幼稚園は昭和2年に感応幼稚園として創設され、その翌年に中野高等女学校を創設し宝仙学園が誕生しました。その後、大学、中学校、小学校が新設され、総合学園としての全容が整いました。創立以来、「人を造る」教育を「建学の精神」とし、97周年を迎えた今日まで連綿と受け継がれています。宝仙学園の校章は、幼稚園から大学まで正三角形が基本形であり、3つの角が支えあう調和した世界を表しています。幼稚園の園章は「子ども」「保護者」「保育者」と三者の力が一体となり、互いに尊重し、それぞれが育ちあう関係を意味しています。