宝仙学園幼稚園は、学園の建学の精神である、知性と品格を備えた「人を造る」教育をもっとも大切に考えています。そのため、子どもの生活指導とともに大事にしているのが、保護者の方々とのコミュニケーションです。 私が常々保護者の皆さんにお伝えしていますのは、「親御さんが変われば子どもも変わる」ということなんですね。
わが家は長女と長男ともにお世話になりましたが、親子ともども気づきをたくさん与えていただいたと感じています。 親の都合や時間軸ではなく、子ども中心にいかに子どもと向き合うかについても、多くの気づきを得ることができました。
こちらに通うようになってから、当たり前のことだけれどもつい疎かになりがちな社会の基本ルールを、ごく自然に日々の生活の中で親子で実践できるようになりましたね。 子どもに対する声かけも、子ども自身が考え、気づくようなやり方を学ばせていただいたと思っています。
私は宝仙学園幼稚園の「あそびの中に、学びをつくる。 あそびの中で、人をつくる」教育方針にとても共感しているんです。
子どもは言葉の説明よりも、経験を通して多くのことを学ぶのだと思います。大事な幼児期に、集中力や他者との関わり合い、挑戦する気持ちなどを身につけるために「あそび」を中心に保育されているところは宝仙学園幼稚園の大きな魅力ですよね。 最初に長男がお世話になり、次男、長女も迷わずこちらに通わせました。
おっしゃった通り、どんな社会事情に遭遇しても自らの力で人生を切り拓いていく力を養うために、当園では体験やあそびを通して自主的な行動を促す保育を行っています。入園当初は自分で好きなあそびを見つけて遊ぶことから始まります。あそびには、自主性・思考力・協調性・巧緻性・行動力など、さまざまな教育的要素が含まれています。 あそびを自分で決定し、あそび方を考え工夫し、友だちと関わってあそぶようになっていくことが「自分で考えて行動できる子ども」「生きる力」の基になるのです。 ですから先生方には、自分(先生)の都合ではなく、子ども第一に考えて保育を進めていくよう指導しています。
先生方は背中に目がついているんじゃないかと思うくらい、子どもたちやその周囲を見てくださっていますよね。好きなあそびに夢中になっている子は見守りつつ、あそびを見つけられない子はあそんでいる集団に招き入れるようさりげなく働きかけられている姿を、度々目にしました。
本当にそうですね。 だから子どもたちも安心して行動できるんですよね。 そして自由に使える廃材が豊富に用意された各保育室、土の園庭など、子どもたちがあそびを創り出せる環境も素晴らしいと思います。 先日、お友だちの家族と一緒に遊具が何もない公園へ出かけたのですが、子どもたちはどんどんあそびを発想して楽しい時間を過ごしていました。 しっかり自主性や創造性が培われていることを実感しました。
現在小学生の次男は図工が大好きで、表彰されたりもしているのですが、そのベースが幼稚園での経験・体験にあることは間違いありません。 自由に作ることの楽しさを知り、自分はこういうことが好きだし得意なんだという自信にもなっているようです。
「もし子どもたちがあそびを見つけられないとしたら、それは保育者自身が楽しんで遊んで活動していないからですよ」と先生方にはお話しています。 といってもただ自由奔放でいいというわけではありません。 たとえば元気な子どもは走ります。 でも走ってはいけない時や場所がある。 押さえつけではない、走らせない保育をどうやるか。 あそびの中で気づかせるような指導、成長できる指導を目指しています。
私の息子は朝早く登園することに命を懸けています(笑)。「早く登園すると気持ちがいい、楽しい」と気づいたからなんですね。だから自ら早起きし、身支度をし、水筒も自分で用意して、私の準備も手伝ってくれるようになりました。 これは先生方が「早く来ようね」と頻繁に声かけしてくださったからこその気づきであり、成長だと思います。 私自身も息子の気持ちを優先させてあげようと、あらためて思うようになりました。
うちの娘は不安感が強く、よく泣く子だったのですが、そんな娘が、なぜ不安なのかを自分の言葉で伝えようと頑張り、先生がそれをしっかり受け止めてくださったおかげで毎日楽しく通えるようになりました。それからは「今日は○○をした! 給食をおかわりできた!」と毎日話してくれ、いろいろな当番を経験するたびに自信をつけていって、何に対しても積極性が出てきました。 この急成長ぶりに驚きと喜びをかみしめています。
季節外れの時期に咲いている紫陽花を息子が見つけ、「この紫陽花は「わたしはわたし」ってうれしそうに咲いているんだよ」と話した時は、豊かな感性が育まれていると同時に、幼稚園生活の中で一人ひとりの個性やよいところを認め合いながらお友だちと関わっているんだなとうれしく感じましたね。
子どもって素敵な言葉をたくさん発しているんですよ。 それに気づき、受け止めてあげることが保育者や親の役目なんですね。
宝仙学園幼稚園を選んで本当によかったと思うのは、先生方がいつも温かく愛をもって子どもたちに接し、受け止めてくださるところです。
コロナ禍でも子どものことを第一に考え、「できない」ではなく「何ができるか」と前向きな方向性を常に探ってくださり、年長組だけでもと行事を開催してくださいました。 宝仙学園幼稚園に三人の子どもを通わせることができ、幸せだったと感じています。
園は「人を造る」教育とともに「感応の心」も大切に考えています。 「感応の心」とは、簡単にいえば、相手の気持ちを感じてできることを応えていくということです。それを常に心に留めて愛情深く保育していけば、子どもは真っすぐ育つと信じています。 私たちは保護者の方々を信頼していますし、保護者の方々も私たちを信頼してお子さんをお預けくださっているのだと思います。 だからこそ「感応の心」が生まれ、「知性と品格を備えた人が造られていく」のだと考えています。